儲からないの?投資信託なんて年3%程度のリターンしかない
投資信託ってどのくらい儲かるのでしょうか?投資信託を買おうとする人なら、誰でも気になるところですよね。
もちろん、個々の投信によってパフォーマンスの差は大きいでしょう。特に、単年で見た場合は、大きくプラスになる投信もあれば、大きくマイナスになる投信もありますから。
でも、それなりの相場みたいなのはあるはずですよね。長期的に見たら、平均してこの程度は儲かるというような数字が無いとおかしいはずです。
それなのに、投資信託の関係者からは、こうした話はあまり聞かれないですよね。
本当に儲かる商品なら具体的な数字を挙げて宣伝するはず
本当に投資信託が儲かるのなら、業界を挙げて宣伝をするはずですよね。儲かる商品だというイメージを与えることが出来れば、投資信託というカテゴリー自体のパイを大きく出来ますから。
でも、「過去の平均では投資信託は年10%儲かります!」みたいな勇ましい言葉は聞いたことがありません。それをやらないという事は、要するに、あまり儲からないのでしょうね。少なくとも、宣伝文句に使えるほど儲かっていないのは確かなようです。
本当に儲かる実績が示せるのなら、利にさとい彼らが、それをやらないはずはありません。
実際にどの程度儲かるかを予想することは可能
これまでの実績を調査して平均を出すのは、個人には難しいことです。ただ、それでも、合理的な方法でどの程度儲かるかを予想することは可能です。
具体的にどうするかというと、機関投資家が公表している期待リターンをベースに考えるのです。
機関投資家というのは、基本的には、国内外の株式と債券に投資しています。この運用計画を立てるとき、それぞれの資産別に、1年間でどの程度のリターンが期待できるのかを想定しています。これを期待リターンといいます。
期待リターンはそれなりに合理的な方法で計算されています。もちろん、過去の市場平均なども考慮されて決められています。ですから、平均的なパフォーマンスの参考にはなると考えるのが自然なのです。
一部の機関投資家の期待リターンは、インターネット上でも公開されています。今回、GPIF という機関の数字を使って投資信託のリターンについて考えてみましょう。GPIF というのは、国の年金を運用方法などを決めている機関です。
こうした組織ですから、機関投資家の中でも特に権威がある組織だといって良いでしょう。運用額も日本ではダントツです。もっとも、権威があって規模が大きいと予想が上手いというわけではありませんけどね。
投資信託の平均的なリターンはせいぜい3%というところだろうか
さて、結論から書いてしまうと、投資信託の平均的なリターンはせいぜい3%くらいと予想されます。思ったほど増やせないと感じた人も多いでしょう。
GPIF の資料によると、各資産の期待リターンは3%から5%というところです。平均して、大体4%くらいと考えて良いでしょう。
ただ、投資信託の場合は、GPIF に比べて、手数料が余分にかかるはずです。この点を考慮しないといけません。
そもそもGPIF はほとんどがインデックス運用のはずです。ですから、手数料がたいしてかかりません。しかも、規模のメリットも生かせますから、特に手数料は安くなると考えられます。
これに対して、国内債券以外の投資信託は1%中盤の手数料がかかるのが一般的です。この差は当然、運用のパフォーマンスに現れるはずなのです。
ざっくり考えて、1%くらいは余分に手数料がかかると考えて良いでしょう。ですから、この分を差し引いて、3%程度のリターンが期待できるということになります。
かなり大雑把な議論であることは否定しません。でも、大体のイメージをつかむための議論としては、悪くないでしょう。
それにしても、3%しか儲からないと考えると、投資信託なんて買いたくなくなってしまいますよね。
GPIF の期待リターンは保守的だとは思います。でも、それを考慮してもそれほど儲からない気がしてなりません。
そこで、リターンをよくするためには、色々と工夫が必要になるのです。例えば、可能な限り手数料にこだわって投資信託を選ぶとかね。