これまで折に触れて「(店舗型の)銀行で投資信託を買うのは良い選択ではない」と指摘してきました。
なぜ店舗型の銀行が良くないかというと、彼らは手数料が高い投資信託を売りたがる傾向があるようだからです。
これは銀行の店頭に並べられた投資信託のパンフレットを見れば一目瞭然です。
パンフレットを並べて紹介される投資信託は、手数料が高いものがほとんどなのです。
商売の常識から考えると、一番目立つ位置に置くということは、一番売りたい商品のはずですよね。
銀行は手数料が高い投信を売りたいのです。
当然ですが、手数料が高いということは運用の成績が悪くなる可能性が高いです。
つまり、手数料が高い投信=私たちに不利な投信と言っていいでしょう。
店舗型の銀行をおすすめしないのには、もう一つ理由があります。
銀行の販売姿勢に関して、悪い評判を目にする機会が多いのです。
具体的には次のようなものが多いです。
定期が満期になったので、更新をしようと相談すると、投信をすすめられる。
断ってもかなり強く迫られる事もあるのだとか。
こんな事例はいくつか聞いたことがあります。
また、ネットで検索してみても、いくつか事例が出てきますね。
あと、これは投資信託ではありませんが、過去には変額年金の契約をめぐったトラブルがニュースになった事もありましたね。
ちなみに、変額年金は投資信託と類似の保険商品です。
つまり、銀行の窓口では、次の問題の可能性があるのです。
●顧客に不利な投資信託を売ろうとしている
●望んでいない人に投資信託を売ろうとしている
まあ、でも、ここまではある意味し方がない部分もあります。
彼らもビジネスで投資信託を売っているのですから、手数料が高い商品をすすめるのは自然なことといえるでしょう。
強引な売り込みも、他業種でもないわけではありません。
まあ、不利な商品を売るというのは、日本の商習慣からすると反発する人も多いでしょうけどね。
それに、顧客に不利な商品を提供するということは、将来の投信離れを起こすだけのような気もします。
ただ、それでも、利益を上げないといけない銀行の立場も考えると、許容範囲だとも言えるでしょう。
私たちが賢くなって、銀行から買わなければ良いだけの話です。
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ダイヤモンドに極端な事例が
上に紹介したようなデメリットの極端な例が、ダイヤモンドに紹介されていました。
記事で取り上げられた中央三井信託銀行の某支店では、高齢者に対して投資信託を販売」していたのだそうです。
■ 家族同席なしの高齢者に投信販売で中央三井の有力支店が開店休業
http://diamond.jp/articles/-/13626
リスク商品である投資信託が、高齢者に不要なのは明らかです。
成績をあげるためなら、何でもするということなのでしょうか。
もちろん、これだけでは違法ということはありません。
それでも、どう考えても、相当悪質なケースといっていいでしょう。
そしてこの支店に限らず他支店でも、短期の売買を行わせるということを推奨する雰囲気だったことも書かれています。
そのためか、今回は問題化していないものの、投信の売買の現場では支店によって、販売から半年足らずで同じ担当者が別の商品に乗り換えさせる手法が跋扈していると、中央三井の関係者は明かす。
これは販売や解約のたびに銀行が手数料を取ることができるため、営業成績を上げたいときに使う手法で、大手証券会社の営業担当は「繰り返せば社内でお咎めを受ける」と明かす。しかし中央三井では、販売した行員に対して支店の上司が「よくやった」と声をかける姿も見受けられ、首を傾げる行員も多い。
投資信託は、短期間での売買が必要な商品ではありません。
一度買ったら、10年以上売らない事だって珍しくないでしょう。
逆に短期間の売買は、その都度手数料がかかり、顧客にとっては大変不利です。
証券会社ならお咎めを受ける行為が、中央三井信託銀行では奨励されるということです。
銀行が顧客のことを考えてビジネスをしているわけではないのが良く分かります。
少なくとも、今回記事になった中央三井信託銀行はそういう体質であることが伺われます。
今回の例は極端かもしれないが
もちろん、今回の記事は極端な例なのかもしれません。
それでも、他の銀行やら証券会社でも、営業担当者がノルマを達成する為に同様の勧誘をしてくる可能性は十分にありそうです。
金融商品に関しては、個人の顧客の大半は、営業担当者よりも圧倒的に知識がありません。
自分よりも知識がある人から、「もっと良い商品がありますよ」などと勧誘されたときに断るのは難しいでしょう。
ですから、今回のようなケースはほかでも十分に起こりうると考えられます。
そう考えると、結局のところ、営業担当者と相談して投資信託を買う事自体のリスクとも言えそうです。
●よく調べてネット証券で買う
●一度買ったら基本的には売らない
投資信託に関しては、こういう方針を取るほうが、余計な雑音に悩まされないで済みそうな気がします。
投資信託での資産運用を考えるなら、その前にiDeCoの検討を
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投資信託では金融機関はどこを使う?
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ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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タグ: 強引なセールス, 手数料, 買ってはいけない, 銀行, 高齢者
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