いま中国なの?三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドを勝手に評価

マネックス証券でセレクトファンドという形で投資信託を紹介しています。「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」はそのうちの一つです。

セレクトファンドというのは、要するに、「おすすめの投資信託」ということのようですね。つまり、マネックス証券としては、この投資信託を将来有望だと思っているようです。

もっとも、セレクトファンドというのは意外と数が多いようです。ざっと数えた限りでは、50本以上選ばれているようです。ですから、そんな特別な感じでもなさそうですけどね。

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドのパンフレット

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドのパンフレット

さて、この投資信託、実際のところはどうなのでしょうか。投資に値するのでしょうか。

ちょっと調べてみましょう。

運用方針はこんな感じ

まずは、この投信の運用方針を見てみましょう。パンフレットを見ると、次のような事が書かれています。

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これを見る限り、個別株をいくつか拾って、中長期で保有するというスタンスのようですね。この方針自体は、株式の投資信託としては良くあるものです。

「ああ、そうですか」というくらいの感じがします。

中国の将来性は大丈夫

気になるのは、パンフレットの次の部分です。中国経済の魅力として、4つの要素が上がっています。でもこれが、率直に言って、同意しかねるものが多いのです。

一つずつコメントしていきましょう。

■ 高い経済成長
今後も先進国を大きく上回る経済成長が予想されています。

これに関しては色々反論が出来そうですね。やっぱり一番強く言いたいのは、成長率の鈍化でしょうか。

株価というのは将来の期待で動きます。他と比較して成長率が高くても、期待されていたのよりも低ければ、株価は下がるのです。その点を無視して議論しても、意味はないのです。

以前の中国は、今よりもっと高い成長率が続くと考えられていたふしがあります。それがやや高い程度の成長率に落ち着いてしまいました。

だから、先進国よりも成長力があるからと言って、買いというわけには行かないでしょう。むしろ売り要因だとすら思います。

成長率に関してさらに言うと、GDP 自体の捏造疑惑もあります。統計があてにならないのに成長率云々を語られても議論のしようがないのです。

以上のような理由で、経済成長云々という部分はポジティブな要素とは考えにくいのです。

■ 大きな経済成長余地
中国のGDPは、2010年に日本を超え、世界第2位となりました。しかし一人当たりGDPは未だ日本の約1/8であり、大きな成長余地があります。

1人当たりのGDP が小さいからと言って、将来の成長が期待できるということにはなりません。それだったら、1人当たりのGDP がさらに小さいベトナムやバングラディッシュはさらに良い投資先ということになってしまいます。

農業国が工業国になると、最初は1人あたりのGDP は急速に伸びるのだそうです。ここまでの中国は、この状態でした。

しかしある程度成長が進むと、頭打ちになるようです。1人当たりの人件費が上がりすぎて、採算が取れなくなります。その結果、外国の企業が引き上げたり規模を縮小するのです。中国は今この段階だといわれています。

もしそうなら、今後1人あたりのGDP が伸びるのは幻想だということになります。もっと内需型に構造を変えていかないと、成長は難しいでしょう。あるいは先進的な技術を生み出して、付加価値が高いものを世界に売っていくといったことも必要でしょう。

これが出来ないと、1人当たりのGDP は頭打ちの可能性が大きいです。

■ 世界最大の輸出国
中国製品の競争力向上を反映し、輸出は拡大しています。2009年以降、輸出額は世界第1位となっています。

中国の輸出が世界一だとして、株価は既にそれを織り込んでいます。ですから、別段プラス要因ではありません。

また上と同じ理由で、輸出が今後も伸び続けるかは不透明です。そもそも、中国製品を買ってくれる国が、これ以上輸入を増やせるのかという話もありますよね。現状と同じようなものを作っていたら、輸出の伸びは期待しづらいでしょう。

■ 拡大する消費
中国の年間自動車販売台数は、世界最大となっています。しかし、保有台数は100世帯当たり約19台(2011年末時点)と低水準であり、所得の向上とともに今後も拡大すると考えられます。

中国は内需が弱い国です。もともと内需が弱い国でちょっと増えたって言われてもねえ。

本当に今後内需が伸びれば、中国経済はこの先も明るいのかもしれません。車も売れるでしょう。でも、今それをポジティブな要素に入れておくのは、かなり時期尚早です。

実際、中国政府は中産階級を増やすことを試みているようです。しかしその結果は芳しくなさそうです。格差社会をなくすというような構造的な改革が出来るかどうかがポイントになるでしょうね。でも、そう簡単に出来る話でもなさそうです。

古い資料なのか?

これは資料の作成が古いのかな?いや、2013年1月だから、多少古いですが、それほどでもありませんね。そのタイミングの経済分析としては、かなり首をひねるものです。

まあ、パンフレットは販売のためのものですから、少しでも魅力的な所を頭をひねって考えたのでしょうね。

それに、国際機関でも、未だに「その予想は本気なの?」って予想を出してくる所もありますからね。中国は○○年にアメリカを抜くとか。

そういう情報をつぎはぎすれば、こんな資料になるのでしょう。

中国にはネガティブなんだよね

不思議なことにあまり日本では伝えられませんが、中国ではこのほかにも問題山積です。

日本でも有名なのは、大気汚染ですね。日本まで色々飛んできているようですから、否定のしようがありません。

それ以外では、例えば水質汚濁。多くの川が汚染され、飲み水の供給が困難になっていると言います。飲み水が確保できないために、北京から遷都するなんて話もあるくらいです。水が駄目だと農業にも影響が出ますね。

あと、公務員の汚職も酷いです。政権の中枢近くにいる人たちは、海外に資産を移し始めているなんて話もあります。もちろん、その資産というのは、汚職をして作ったものです。金だけでなく、幹部の子息や親戚が、海外に移住しているという話もあるようですね。

こんな状態ですから、敢えて中国を選ぶ必要は無いと思うんですよね。新興国は中国だけではありませんから。

もちろん、投資したいという人を無理に止めたりはしませんけどね。


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