運用する純資産が小さすぎ!多くの投資信託は赤字の可能性が高い

大手ネット証券の取り扱う投資信託が1,400本を超えました。私が調べた範囲では、SBI証券が1,406本で楽天証券が1,400本丁度みたいですね。

本当に不思議なのですが、これだけの投資信託を作ってどうするのでしょうか?そして、そもそも、投資信託って金融機関は儲かるのでしょうか?

多分、売れているのは一部だけですよね。ほとんどの投信は、存在すら知られていないような状態のはずです。何かの偶然でたまたま見つかるのを待っているという感じですね。

そんな投信について考えてみましょう。

ネット証券の存在が多数の投信の存在を可能にした

これだけの数の投資信託が取り扱えるのは、ネット証券ならではなのでしょうね。店舗型の金融機関だと、これだけの種類の投信は扱いきれないと思います。顧客から資料を請求された時に、1,000以上の投信があったら、どう考えても対応しきれないからです。

投資信託を販売するには、顧客に交付目論見書を渡す必要があります。目論見書を渡さない限り、販売してはいけないのです。

ということは、1,000本の投資信託を販売したければ、1,000種類の目論見書をおいておかないといけないわけです。普通の店舗ではこんなこと無理ですよね。資料を置くスペースの問題として。あと、窓口の担当者の能力の問題としても。

これだけの数の投資信託が扱えるのは、電子的に交付できるネット証券ならではの販売方法と言えます。今の時代だからこそ、この本数が存在しうるのでしょうね。

投資信託会社は儲かるのか?

はっきり言って疑問なのですが、投資信託って一本一本は儲かるのでしょうか?

もちろん、投資信託全体として見れば、ドル箱商品なのは知っています。儲かる商品でなければ、銀行があれだけ積極的に売ろうとは思わないですよね。

でも、一本一本の投信ごとに見れば、赤字なのではないかと思うのです。一部の商品の黒字が、他の商品の赤字を補っている構図だと予想されます。

実際どうなのだろうと思い、平均的な投資信託の売り上げについて考えてみました。

平均的な純資産は30億円台か

まず、投資信託の運用する純資産の規模の中央地やら平均値を探してみたのですが、見つかりませんでした。ただ、中央地で見ると、おそらく30億円位の規模でしょう。

純資産の中央地というのは、全体の投資信託の中で丁度真ん中の純資産の規模ということですね。真ん中くらいのサイズということです。

投資信託会社の売り上げは?

ここでは仮に純資産の中央地を30億円として、投資信託の売り上げを計算してみましょう。

30億円規模の投資信託の信託報酬が年1.4%だとしましょう。大体このくらいが標準的なところでしょう。このとき、投資信託の年間の手数料は4,200万円になります。

通常、信託報酬の約半分は、販売した金融機関のものです。ということは、運用する投資信託会社(委託会社)の取り分は、2,100万円ということになります。これが投資信託会社にとっての売り上げですね。

1年投資信託を運用して、たったの2,100万円しかならないのです。これだと、はっきり言って、ファンドマネージャー一人の人件費で消えてしまいます。ファンドマネージャークラスなら、給与だけでも1,000万円を超えるでしょうからね。社会保険や退職金の積立なども考えると、支出は相当のものです。

しかも、スタッフはファンドマネージャーだけではありません。それに、この2,100万円から、運用報告の資料なども作らないといけないのです。

運用に関しては海外の運用会社に丸投げするなどして、コストを減らすことは出来るでしょう。それでも、どう考えても、利益を出せるとは思いません。投信が存続する限り、赤字の垂れ流しという状態のはずです。

真ん中の規模の投資信託でもこんな状態です

もう一度繰り返しますが、資産規模で真ん中近辺の投資信託がこの状態ですよ。普通のレベルの投資信託でも、こんな状態なのです。

この状況から考えるに、純資産の規模で下位の3分の2は利益をあげるのは難しいと考えて良さそうです。構造的に無理なのです。

一部の花形の投資信託が、利益の大半をあげているとしか思えませんよね。それ以外では全く説明がつきません。

日本の投資信託が短命な原因がこれ

日本の投資信託は短命なものが多いと言われています。一部の人気投信を除いては、投資信託の設定から3年とか5年とかの短期間で、簡単に償還されてしまうのです。

まあ、そりゃそうですよね。儲からない投資信託をいつまでも存続させることなんて不可能です。投資信託会社は営利企業ですから。

何年か経ってある程度見切りをつけたら、潰してしまって新たな投資信託を作るのです。その方が儲かる可能性が大きいはずです。

長期投資を考えている投資家からしたら、迷惑な話ですけどね。事実としてそうなのですから、投資家の側が対応するしかなさそうです。

業界的に変わる事は、期待しない方が良いでしょう。未だに通貨型とか毎月決算みたいな目くらましの技術を考えるのに一生懸命な業界ですから。こういう人たちだと思って、付き合っていくしかありません。

投資信託での資産運用を考えるなら、その前にiDeCoの検討を

投資信託での運用を考えているあなた。その前にiDeCo は活用していますか?

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ちなみに、手数料等を考慮すると、iDeCo の窓口金融機関にはネット証券がお勧めです。興味がある方は資料請求から。

投資信託では金融機関はどこを使う?

投資信託を使って資産運用をするならSBI証券がおすすめです。取り扱い本数が2,500本以上とかなり多く、顧客満足度も高い証券会社だからです。

投資信託の積立をして長期的な資産形成をする場合も、やっぱりSBI証券が良いでしょう。銀行や信用金庫からの自動引き落しに対応していて、とても便利です。月々100円から積立てられるのもメリットですね。

ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。

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