投資信託では様々な資産に投資できます。その中で代表的なのが、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、国内REIT、海外REIT の6つでしょう。
さて、この6つの中で、投資信託の本数が一番多いのはどれか分かりますか?ちょっと気になりませんか。
事前の情報がなければ、多分私なら次のように予想します。「さすがに、REIT はそれほど多くないはずですよね。積極的に増やしたいと思う人は国内外の株式に投資するでしょう。安定志向なら、国内の債券ということになります。一般的に、日本では資産運用にリスクを取りたがらない人が多いはずです。しかし、投資信託をわざわざ買おうと言う人は、積極的に利益を追求しようという人が多いでしょう。となると、国内か海外の株式が一番売れている気がします。日本株は最近まで調子が悪かったので、海外株式が1位でしょう。」そんなに的外れという感じはしないですよね。
しかし、この予想は大外れみたいです。どうやら日本の投資信託で一番数が多いのは、海外債券ではないかと予想されるのです。
この予想の根拠は、楽天証券の投資信託の資産別の内訳です。楽天証券では1,400本もの投資信託を扱っています。そのうちの445本が海外債券なのです。
1,400本も扱っているのですから、日本国内の投資信託の状況をだいたい反映していると考えて良さそうですよね。
ちなみに、1,400本中の445本は約32%にあたります。つまり、日本の投資信託の3分の1は海外債券に投資する投資信託と言って良いわけです。率直に言って、にわかには信じられない数字です。
海外債券はハイリスクローリターンの可能性も
ところで、海外の債券に投資するというのは、賢い選択なのでしょうか?
率直に良いって、海外債券で投資をするという選択は良い選択だとは思えません。海外債券というのは、ハイリスクローリターンである可能性が大きいのです。
おそらく海外債券の投信を買っている人の多くは、比較的リスクが小さくリターンが大きいと思っているのでしょう。海外債券はリスクが低いといって売っている人もいるようです。でも、実態は逆なのです。
まず海外債券のリスクですが、一番大きいのは為替リスクですよね。比較的安定しているドル円ですら、大きく動く時期には年に2割とか3割程度は動きます。他の通貨だと、さらに激しく動く可能性が大きいと考えて良いでしょう。
投資の判断としては、海外債券は為替リスクに見合うだけのリターンがあるかどうかという視点で考える事になるわけです。為替リスクに見合うリターンがあれば、投資をしても良いということですね。
海外の債券は表面的な利回りが高いものが多いです。ですから一見、リスクに見合うリターンがありそうな気がします。
ただこの利回りは、あくまで現地通貨に対しての利回りということを忘れてはいけません。一般的に為替というのは、2国間の金利差を打ち消す方向に動きます。ですから、現地通貨で利回りが高くても、日本円で考えると日本国債と大差がないと考えるのが普通なのです。
その証拠は日本円建てで発行される外国債券の利率を見れば明らかです。これまた楽天証券で実例を見つけました。2012年の新発債なのですが、バークレイズ・バンク・ピーエルシーというところの円建社債の利率は1.15%です。5年物ですね。率直に言って、日本の社債と大差がないレベルですよね。

円建外債のリターンは国内債券並み。つまり、外債は必ずしも有利ではないということ。
これを見ると分かるように、将来の為替変動を考慮すると、結局日本で発行する他の債券と大差が無いことになります。つまり外債は、ハイリスク・ローリターンの可能性があると考えられます。
多分、投資信託会社も、売れると思うから海外債券の投信をたくさん作っているわけですよね。つまり、日本人の金融に対するリテラシーが低い証拠といえるのかもしれません。
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投資信託では金融機関はどこを使う?
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