日本で販売されている投資信託で一番種類が多いのは、海外債券に投資する投資信託です。全体の3分の1程度が海外債券に投資する投資信託と考えていいでしょう。
それでは、海外債券が特別儲かるかというと、そんなこともありません。例えば、GPIF の見立てだと、海外債券の期待リターンは3.2%です。同じGPIF の考える、国内債券の期待リターンが3.0%です。ということは、国内債券とほとんど同じようなリターンしか期待できないと考えれているようです。 1
為替リスクを負う分だけ不利な投資ということ
為替ヘッジをしない場合、海外債券の運用では為替リスクを負わないといけません。ということは、海外債券というのは国内債券に比べてリスクが大きいことになります。
つまり、海外債券は国内債券と比べて、リターンに大差がない上にリスクが大きいのです。ということは、海外債券への投資はそれだけ不利ということが言えるでしょう。
投信の人気などを考えても、海外債券は有利だと思っている人も多いでしょう。しかし、プロの見立ては全く逆なのです。表面的な金利のよさに騙されてはいけません。
手数料の負担がさらに重くのしかかる
一般に、国内債券の投資信託と比べ、海外債券の投資信託は手数料が高いです。投資信託における手数料というのは販売手数料と信託報酬ですね。
まず海外債券の投資信託は、販売手数料が高いことが多いです。また信託報酬も、国内債券の2倍以上の水準です。モーニングスターというところの2009年の調査だと、国内債券の信託報酬が年0.59%であるのに対して、海外債券の信託報酬は1.23%でした。
つまり、海外債券の投資信託は、この分も不利だと考えられるのです。手数料が高い分だけ、期待されるリターンも小さくなると考えられるわけですね。
GPIF の見立てよりも手数料分の期待リターンが小さくなると考えると、海外債券で期待される1年の運用益は元本の2%程度という所になりそうです。
上にも書いたように、モーニングスター調査の海外債券の投信の信託報酬の平均は年1.23%でした。手数料ゼロの場合の期待リターンが3.2%とすると、差し引きで期待リターンは1.97%ということになるわけです。
ということで、海外債券の投資信託はハイリスクローリターンな投資であるといって良さそうです。手数料を考慮するとリターンは国内債券より小さくなります。それなのに為替リスクがあるからです。
はっきり言って、主要な投資信託の中では一番不利なのかもしれません。でも、一番種類が多いのです。何だか不思議ですね。
- ちなみにGPIF というのは、日本の公的年金の運用方針を決めている機関ですね。 [↩]
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