質問サイトを見ていたら、次のような質問を見つけました。
銀行に行くと、こういう投資信託をすすめられると言う一例です。グロソブ的な投信がすすめやすいのでしょうね。銀行だと。
(地方銀行や信用金庫で投信を買うのは賢い選択なのか?)
それにしても、率直に言って、この手の質問は回答に困りますよね。投資目的も、投資の予算も、他の金融資産も分からないと、どう答えて良いのか困ってしまいます。
実際、答えにくかったのか、この質問に答えていた人は一人だけでした。まあ、そうですよね。
どこの銀行だろう
今回の質問では、銀行ですすまられたという情報しか載っていませんでした。ですから、どこの銀行なのかは分かりません。そこで、ちょっと探ってみましょう。
この投信を取り扱っている銀行をモーニングスターの情報からピックアップしてみると、次のような感じです。
スルガ銀行、オーストラリア・ニュージーランド銀行、広島銀行、福岡銀行、親和銀行、西日本シティ銀行、新生銀行、きらやか銀行、長崎銀行、熊本銀行、百五銀行、大垣共立銀行、山形銀行、秋田銀行、北海道銀行、青森銀行
全部で16行の扱いがあります。あと、銀行ではありませんが、「京都信用金庫」という信用金庫の取り扱いがありました。
全部で36社の販売会社がありましたが、銀行と信用金庫で半分くらいを占めている感じですね。残りは証券会社です。
取り扱っている銀行を見ると、小さい所が多いですね。メガバンクでは全く取り扱っていないようです。相談者の方も、おそらく、地元の地方銀行か第二地方銀行に行ったときに、窓口ですすめられたのでしょうね。
投信の概略をチェック
本題に戻って投資信託の評価の話です。
この投信は、正式名称を「BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(毎月決算型)」と言います。愛称がウィンドミルです。ウィンドミルは英語で風車の意味ですね。windmill とつづります。投資信託会社(委託会社)はベアリング投信投資顧問というところです。
この投信には、決算が年1回のタイプもあります。決算が年1回のタイプは、愛称をウィンドミル1年と言うようです。正式名称は「BAMワールド・ボンド&カレンシー・ファンド(1年決算型)」ですね。
ちなみに信託報酬は、毎月決算でも、年1回の決算でも同じです。どちらも年1.5225%で設定されています。また販売手数料は、どちらも最大2.625%で設定されています。最大と書いたのは、販売会社によってはこれより低く設定していると言うことです。
手数料が高くて買う気がしないですけどね
この投資信託の投資対象は、名前からも分かるように、海外の債券です。となると、海外債券の投資でこの手数料が妥当かどうかと言う所が最初のチェックポイントになりそうです。
GPIF によると、外国債券の期待収益は3.2%ということです。ということは、年1.5225%と言う手数料は高すぎます。期待収益の半分が手数料なんて、ありえないですよね。
金融機関の窓口で投資信託を買うのなら、販売手数料もかなり取られるでしょう。信託報酬だけでも高いのに、販売手数料も取られるわけです。
この2点だけから考えても、この投資信託を買おうと言う気はおきません。細かく検討する前に、私だったこの段階でオミットすると思います。
多分、これだけ手数料が高いので、銀行もおすすめ投信として紹介したのでしょう。販売手数料は丸々銀行の取り分ですし、信託報酬も半分くらいは銀行の取り分になるはずです。1
こんなにあっさり外してしまうなんて、ちょっとドライすぎますか?でも、投資信託の本数は、馬鹿みたいに多いですからね。大雑把な基準を設けてバッサリと切り捨てることも大事です。
楽天証券でも注目投信に入っているようです
ちなみにこの投信、楽天証券でも注目ファンドとして取り上げられていました。細かく見ていくと特徴的なところがあるようですね。
個人的には、手数料が高い時点で、どう運用しようとあまり意味が無いとは思いますけどね。ですから、何を説明されても、あまり興味はありません。
それでも、新しい取り組みが好きな人は、興味深い内容かもしれません。少しでも気になったら、読んでみてもいいのではないでしょうか。
- 正確には年0.735%です。詳しくは交付目論見書をチェックしてください [↩]
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ちなみに、手数料等を考慮すると、iDeCo の窓口金融機関にはネット証券がお勧めです。興味がある方は資料請求から。

投資信託では金融機関はどこを使う?
投資信託を使って資産運用をするならSBI証券がおすすめです。取り扱い本数が2,500本以上とかなり多く、顧客満足度も高い証券会社だからです。
投資信託の積立をして長期的な資産形成をする場合も、やっぱりSBI証券が良いでしょう。銀行や信用金庫からの自動引き落しに対応していて、とても便利です。月々100円から積立てられるのもメリットですね。
ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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