ETF の大きな特徴の一つが手数料の安さです。非上場の投資信託の信託報酬に比べ、ETF の信託報酬は非常に安いのです。1
ETF の運用管理費用が安い理由は何なのでしょうか。ETF という特別な名前がついているとは言え、基本的にはインでクスファンドのようなものですよね。何がそんなに違うのでしょうか。
いくつか理由は考えられますが、大きな理由の一つは、販売会社の取り分が無いからでしょう。
ETF の信託報酬が安い理由
ETF の信託報酬は、委託会社と受託会社が受け取ります。
委託会社というのは、要するに、運用会社のことですね。そして、受託会社というのは、資金の管理をする信託銀行の事です。
例えば、野村アセットマネジメントの「<TOPIX連動型上場投資信託>TOPIX投信」というETF の場合、委託会社の取り分が年0.075%で、受託会社の取り分が年0.035%で設定されています。いずれも信託財産に対する年率で、税抜きの数字です。
つまり、このETF の場合、信託財産に対して手数料が年率で0.11%ということになるわけです。100万円投資した場合、1年で1,100円くらいの手数料がかかると言うイメージです。
非上場の投資信託の信託報酬の分配方法
一方、非上場の投資信託の場合は、信託報酬の配分はどうなるのでしょうか。
この場合、委託会社と受託会社のほかに、販売会社も信託報酬の一部を受け取ります。販売会社が受け取る信託報酬は、委託会社と同程度と言うことが多いようです。
例えば、「ニッセイTOPIXオープン」というインデックスファンドの場合、信託報酬は次のように決まっています。
- 委託会社:0.215%
- 販売会社:0.215%
- 受託会社:0.07%
いずれも税抜きです。全部合計すると、税抜きで0.5%です。
販売会社に支払う部分だけでもETF の約2倍
信託報酬の販売会社に払う分だけでも、ETF の信託報酬2倍の額になっているわけです。この部分がなくなるわけですから、確かにETF の信託報酬は安くなるはずですよね。
これがETF の信託報酬が安い大きな理由の一つなのです。
- ETF の場合、信託報酬ではなく厳密には「運用管理費用」と言います。ただ、私達としては、同じものだと理解しておいて良さそうですね。 [↩]
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ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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