「世界の財産3分法ファンド」はいわゆるバランス型の投資信託です。日興アセットマネジメントが設定した投資信託ですね。これを書いている時点で純資産総額が564億円の比較的大きな投資信託です。
さて、この投資信託は、投資するに値する投資信託と言えるのでしょうか?ちょっと考えてみましょう。
投資信託の概要
この投資信託は2005年9月29日に設定した投信です。日本の投資信託の中では比較的古株の方と言えるでしょう。日本の投資信託は、短期間に償還されてしまうものが多いですから。
「世界の財産3分法ファンド」という名称から分かるように、国内外の株式、債券、不動産に投資します。しかも、全ての投資比率を全く同じに保つようですね。交付目論見書のイメージによると、次のような感じです。
この図を見ると分かる通り、それぞれの資産はインデックスファンドを使って運用されます。
手数料はやや高目か
手数料は率直に言って、やや高目です。
何より駄目なのが、販売手数料が取られることです。税込みで3.15%以内で販売手数料が設定されています。
この投資信託は基本的に複数のインデックスファンドに投資しているだけです。インデックスファンドの購入に販売手数料を取られるのは腑に落ちませんよね。しかも上限の3.15%だったら、販売手数料としてはかなり高い部類に入ります。
信託報酬は税込みで0.9975%です。これもインデックスファンドを買っているだけだと思うと高いですよね。外国株式の投資信託だって、もっと安いものがあります。
この時点で、率直に言って、この投信は選べそうにありません。
自分で個別にインデックスファンドを買った方が良い
この投信は、基本的に、同じ比率でそれぞれのインデックスファンドを買うだけです。もしそうなら、自分で何本か投資信託を買った方が良いはずです。手数料が安いですからね。
なにも、委託会社やら販売会社やらによけいな手数料を払ってあげる必要はありません。単純にお金の無駄遣いです。
全く同じ比率にするのが正しいのか?
「世界の財産3分法ファンド」には、もう一つ大きな疑問があります。それは、全ての資産を同じ比率で買うのが良いかという点です。
「世界の財産3分法ファンド」は、国内外の株式、債券、不動産を全資産の6分の1ずつ買うイメージです。これに関して気になるのが、全てを同じ比率で持つのが良いのかという点です。各資産を同じ比率で持つのが、ベストバランスと言うわけではありません。
そもそも、どの程度のリターンを追及するからで、組み合わせはぜんぜん違ってくるはずです。こんなふうに機械的に組み合わせるのがベストだとは、とても思えません。
もう一つ書くと、国内債券や不動産を入れるのが正解なのかどうかという話はありますよね。国内債券は投資信託で持たなくても、違う形で持っている人が多いでしょう。不動産はREIT を使って投資するのですが、REIT という仕組み自体に問題点があると主張する人もいます。
色々気になります
以上のように、率直に言って、色々と気になる点がある投資信託ではあります。絶対に駄目だとは思いませんが、私だったら避けるでしょう。歴史がある投資信託が必ずしも良いというし信託と言うわけではないようです。
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投資信託では金融機関はどこを使う?
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ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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