現在購入することが出来る投資信託で、一番歴史が長いものはどんなものでしょう。その投資信託はいつごろから運用されているのでしょうか。
興味があったので、ちょっと調べてみました。
大和の「大型株ファンド」という投資信託が一番古いそうです
投資信託協会のデータベースを使って調べた範囲だと、公社債投資信託を除けば、大和証券投資信託委託株式会社の「大型株ファンド」という投資信託が一番古いもののようです。日本株のアクティブ運用の投資信託ですね。
ちなみに、設定が1961年12月2日とありますから、50年を超える古い投資信託と言うことみたいですね。半世紀越えはなかなかすごい記録です。
一般向けの投資商品として投資信託が作られたことを考えれば、日本株の投資信託と言うのは、まあ妥当なのかもしれません。しかも当時は、日本経済の回復期でしょうから、株価が上がることは十分に期待できますしね。
純資産総額から考えるととっくに償還されていておかしくないはず
さてこの投資信託ですが、率直に言って何で生き残っているのか疑問な点があります。記録を作るためだけにに存続させられているのではないかと、疑いたくなるのです。
というのも私が調べた時点では、この投資信託の純資産総額は14.98億円しかないのです。ちなみに一時期は、10億円を切っていた時期もあったようでした。1
信託報酬が税抜き0.72%なので、関連する会社のこの投資信託からの年間の売り上げの合計は、1,079万円ということになります。投資信託には、販売会社、委託会社、信託銀行などが関わっていますから、それぞれの会社の取り分としてはもっと少ないわけです。
株価が低かった時期には、委託会社としての売り上げももさらに低かったでしょう。赤字垂れ流しの投資信託だった可能性が大きいのです。
一般的には、ここまで人気がない投資信託だと、繰上償還されてしまいます。繰上償還と言うのは、運用を中止して資産を現金化し、投資家に返すことをいいます。
条件的には、繰上償還をするのは十分に可能です。目論見書によると、繰上償還の条件が300万口と言うことです。そして、直近の運用報告書によると250万口程度しかありません。条件を満たしていますから、これまでも繰上償還しようと思えば出来たのです。
いつからこの投資信託が日本で一番古い投資信託になったのかはしりません。でも、償還されずにここまで来たのには、少なからず記録が関係しているのでしょうね。そうでなければ、こんな先行きが無さそうな投資信託を残しておく意味はありません。
実際、ほとんどの不人気投資信託が、数年で繰上償還されていますからね。この投資信託は特別扱いされているのは間違いないのです。
- 純資産総額と言うのは、簡単に言うと、投資信託が運用している全ての資産の時価総額の事です。全ての資産を現金化すると、理屈の上では14.98億円になると言うことですね。 [↩]
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