グローバル・ソブリン・オープンは、かつて日本一の純資産総額を誇る大型投資信託でした。グロソブなんていう、ちょっと安易なニックネームが付いていたほどです。
しかし今では、率直に言ってかなり悲惨なことになっているようです。資金がどんどん流出し、ピーク時の5分の1程度の純資産総額になっているのです。
それでもまだ、大型の投資信託であるのは間違いがありません。でも、このまま行くと、あまり明るい未来は待っていないように思えます。まあ、あくまでグラフを見た印象ですけどね。
グラフで確認してみよう
具体的に、グローバル・ソブリン・オープンがどのように推移しているのか、グラフで見てみましょう。2014年8月29日作成の運用報告書には、次のようなグラフが載っています。
一番下の水色のグラフが、純資産総額をあらわしています。純資産総額と言うのは、簡単に言うと、グローバル・ソブリン・オープンが運用している資産の総額から負債を引いたもののことです。
2008年ごろをピークに、急激に解約が進んでいることがわかります。実は、かなり前から投資家離れは始まっていたのですね。
最近は下げ止まりつつあるように見えなくもありませんが、完全に下げ止まったということでもなさそうですね。まだ少しずつ減っています。
このまま行くと投資信託の存続すら危ぶまれるのではないかという印象すら持ちます。
運用はうまく行っているのだろうか?
その一方で、運用自体は必ずしも大失敗ではないというのも見て取れます。
運用状況をチェックするのに便利なのが、赤い折れ線です。これは何かというと、「課税前分配金再投資換算基準価額」の推移を表したグラフです。「課税前分配金再投資換算基準価額」というのは、要するに、分配金を払わなかったらどうなるかをあらわすグラフですね。
実際には分配金を払っているので、基準価額自体は長期的に見て下がっています。しかし、分配金を払わなかったとしたら、最近は右肩上がりであることが見て取れます。また長期的にみても、大きく基準価額を上げているといって良いでしょう。
ただ、運用が必ずしもうまく行っていないと思われる点もあります。どんな点が問題かというと、基準価額とベンチマークとの乖離が少しずつ大きくなっているのです。上のグラフだと、ベンチマークは青い線ですね。
ちなみに、ベンチマークと言うのは、投資の目標にしている指標です。この指標よりもパフォーマンスが良いかどうかで投資の成否をはかるわけです。
ということは、ベンチマークにつまり、目標にしている指数と比べると、運用がうまく行っていないわけです。とても簡単な表現を使うと、ファンドマネージャーが下手糞だった可能性があるわけです。
基準価額自体は上がったから得をした人の方が多かったのでしょう
繰り返しますが、課税前分配金再投資換算基準価額で見ると、右肩上がりで増えているのがわかります。基準価額は1万7000円くらいは行っているようですね。ということは、17年かけて7割くらいは価値を増やしたわけですね。
ですから、一応投資信託としては成功だったと言っても良いのかもしれません。損をした人よりも儲けた人の方が多いでしょうし。
ちなみに17年かけて7割上げたということは、年率で換算すると、3.2%程度の利回りになりそうです。この利回りも、ソブリンファンドであることを考えると、決して悪くは無いといえそうです。
ただ、上で書いたように、ベンチマークに大きく負けているという現実もあります。あくまで結果論ですが、インデックスファンドを使ったほうが正解だったとは言えそうです。
今後は厳しい状況が続くのでしょうか
率直に言って、ベンチマークにこれだけ負けている状況を考えると、グロソブに関しては投資対象から外す人が増えるでしょう。解約に加速が付くと、そこから投資家を集めるのも難しいでしょうし。
ただ、ベンチマークについて意識しないで投資している人も多いでしょう。また、一度買ったら放置という人もいるはずです。証券会社や銀行が積極的に売りをすすめない限り、持ち続けると言う人も一定数はいそうです。
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