最近、銀行や信用金庫では、定期預金ではなく投資信託をすすめることも多いようです。そして、その提案にのって、契約する人も多いようです。
銀行や信用金庫は、具体的にどのような提案をしているのでしょうか。かなりヤバいセールストークをしている場合もありそうです。
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次のような提案をされるようです
ヤバいセールストークに関して、一つ実例をご紹介しましょう。おそらく、次のような提案が典型的なものかもしれません。知恵袋の質問からです。
銀行に預けてもお金が増えないので、投資信託を勧められました。
預けておけば、毎月配当金がでるから、どうせ銀行にあずけておく
なら、投資信託にしなさいと言われました。
その方の話しによると、毎月一定額の配当金が必ず入ってきて、元本が下がっても、解約しない限り毎月配当金が入ってくるので、損はしないと言うのです。投資信託はそうゆうもののでしょうか?銀行でお金を寝かしておくより絶対いいと勧められました。
これを読んでの素直な感想が、
です。
銀行や信用金庫の提案の仕方はそれぞれでしょうが、本当にこんな営業をしているとしたら、かなり問題だと言わざるを得ません。
まあ、これに近い営業をしているという噂はよく耳にしますからね。あながち間違いでは無いのでしょうけどね。
自分たちの商品を簡単に否定してしまうのですね
このセールストークですごいと思ったのが、自分たちの主力商品である預金を否定していることです。自分たちが扱う商品は駄目だから、別の商品に乗り換えましょうとすすめているわけです。
商売のためだったら、プライドも簡単に捨ててしまうわけですね。まあ、銀行預金だと大して利益が出ないのは事実なんですけど。
「損はしない」は絶対にまずいはずなんだけどなあ
さて、本当にこの質問のままのトークで勧誘していたら、銀行は金融庁におこられてしまうでしょう。特にまずいのは、「損はしない」なんて具体的に言っている部分です。
投資信託は元本保証ではありません。銀行の言うような配当を毎月出すタイプの投資信託でも、損をする可能性はかなり大きいです。
というか、毎月の配当金1 は、運用資産を削って支払っているだけです。だから、配当金が支払われても、得をしたわけでも何でもないんですよね。
ですから、この表現はまずいですね。完全に「アウト」です。本当に言っているとしたら、契約者と後々もめる可能性もあそうです。元本保証だと思った契約者が裁判を起こす可能性すらあるのです。
まあ、おそらくは、実際には損をしないことをにおわせるような表現だったのだとは思います。銀行も「損をしない」はまずいと心得ているでしょうから。
「解約しない限り毎月配当金が入ってくる」は嘘
次にまずいのが、「解約しない限り毎月配当金が入ってくる」という部分です。
まず、事実関係として、利益が無くても配当を出すような投資信託は存在します。ですから、継続的して配当金を出すこと自体はある程度は可能です。
しかし、「解約しない限り毎月配当金が入ってくる」は明らかに嘘です。なぜかというと、持っている資産を配当金として出し尽くしてしまったら、配当金は払えないからです。
このことから「損はしない」というのも、嘘であるわけです。もうちょっというと、持っている資産を全部配当に回す前に、配当が出来なくなる仕組みがあるんですけどね。
まあ、何にしても、永遠に配当金が支払われ続けるというような表現は、明らかに間違っています。
また、上に書いた通り、投資信託の配当金は、運用資産を取り崩して支払っているだけです。ですから、本来的には、得でも何でもありません。大事な事なので、もう一度書いておきましょう。
これも本当はどういう言い方をしたのか分かりませんが、セールストークとしてはかなりヤバいですね。
覚えておこう:
投資信託の分配金は、運用資金を取り崩して投資家に返しているだけです(これは儲かっている場合でも、損をしている場合でも同じ)。仮に分配金が定期的に払われていたとしても、投資家にとって有利というわけではありません。
結構ぎりぎりのセールストークをしているようです
銀行としては、問題になるのを避けるために、表現には気を使っているはずです。ですから、今回の質問にあったような明確な「アウト」な表現は使っていないでしょう。
しかし、知恵袋の質問者の人に上のような認識をさせたということは、結構ぎりぎりのセールストークをしている可能性は大きそうです。少なくとも、投資家にこれだけ勘違いをさせたというだけでも、かなり罪深いのではないかと思います。
こういうものを見ると、やっぱり、銀行などの窓口で投資信託を買うのはリスクを伴うことが分かります。特に、知識が無い状態で話を聞くと、鴨にされる可能性も大きそうです。
銀行や証券会社の窓口を使うにしろ、ネットで注文するにしろ、自分で判断できるレベルの知識は必要そうですね。完全に人任せにして投資をすることが出来ません。
それと、個人的には、銀行の店舗に行ってアドバイスなんてしてもらうものではないと思っています。彼らの仕事は手数料が高い投資信託を売る事ですから。
基本的には自分で勉強するしかない
金融機関のアドバイスがあてにならないとなると、結局は自分で勉強するしかなくなってしまいます。
でも、ある程度の時間をかけて勉強するのは、仕方がないコストかなあと思っています。というのも、投資信託の手数料は意外と高く、1年で数万円程度になる事も珍しくないからです。
例えば、信託報酬と言われる手数料が年1.5%に設定されている、日本株に投資する投資信託を、200万円分持っているとします。この場合、年間の手数料は3万円になります。
厳密に言うと基準価額の変動があるので、ピッタリ3万円にはならないのですけどね。まあ、結構な手数料がかかります。
これを、例えば、TOPIX に連動するインデックスファンドに切り替えたとします。信託報酬が年0.5%だとしましょうか。この場合は、200万円もっていても、手数料は年1万円しかかかりません。
このように、投資信託の正しい選び方を知っているだけで、手数料を大きく節約することが出来るのです。また、過去の調査を見る限り、手数料の高い投資信託は、手数料の分だけ儲からない確率が高いことも知られています。
このぐらいの節約ができるのですから、基本の勉強はしておくべきというのも納得していただけるのではないでしょうか。
金融機関が儲かる投資信託は、私たちが損をする投資信託です。そういう投資信託を買わないためにも、金融機関で相談するのではなく、自分で選べるようになりましょう。
- 投資信託の場合、正確には分配金と言うべきでしょう [↩]
投資信託での資産運用を考えるなら、その前にiDeCoの検討を
投資信託での運用を考えているあなた。その前にiDeCo は活用していますか?
iDeCo なら、投資信託を使った資産運用ができる上に、有利な節税の仕組みもあります。条件が整えば、年間数十万円単位の節税になる人もいます。この有利な仕組みを使わない手はないでしょう。
ちなみに、手数料等を考慮すると、iDeCo の窓口金融機関にはネット証券がお勧めです。興味がある方は資料請求から。

投資信託では金融機関はどこを使う?
投資信託を使って資産運用をするならSBI証券がおすすめです。取り扱い本数が2,500本以上とかなり多く、顧客満足度も高い証券会社だからです。
投資信託の積立をして長期的な資産形成をする場合も、やっぱりSBI証券が良いでしょう。銀行や信用金庫からの自動引き落しに対応していて、とても便利です。月々100円から積立てられるのもメリットですね。
ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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