投資信託の基準価額は株式投資で言うところの株価のようなものだと言われます。
株式投資の場合、株価と言うのは、会社の経営がうまく言っていると上がるものです。逆に、赤字になったりすると大きく下がります。株価を見ていると、会社の経営のよしあしが大体分かるのです。
ということは、基準価額が1万円1 を超えていない投資信託は運用が下手な投資信託と言えるのでしょうか。逆に、1万円を大きく超えているような投資信託は、運用がうまいと言えるのでしょうか。
このあたりの点について、ちょっと考えてみましょう。
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全体が下がっているときには腕のいいファンドマネージャーでも大変
まず、基準価額が1万円を下回っているからといって、直ちに投資信託のファンドマネージャーが下手糞とは言えません。なぜかというと、全体が大きく下がっているときには、ファンドマネージャーの努力だけでは、対処することが難しいからです。例えば日本株の投資信託の場合、TOPIX が大幅に下落したときには、腕のいいファンドマネージャーでもプラスにすることはできないでしょう。
日本株に投資する投資信託は、当然ですが、日本株にしか投資できません。その意味では、手足を縛られて運用しているわけです。ですから、単純に、現時点での基準価額だけで評価をするのは危険です。
これは日本株だけでなく、外国株もそうです。また、国内外の債券もそうですし、REIT も同様です。
ベンチマークに対しての勝ち負けを考えよう
単純に基準価額で評価が出来ないのなら、何を使って運用のうまい下手を評価したら良いのでしょうか。
実は、資産ごとの運用の上手下手を評価をする良い方法がああります。ベンチマークに対してのパフォーマンスを比較するのです。
ベンチマークと言うのは、簡単に言うと、運用の目標となる指数のことです。日本株の運用だったら、TOPIX や日経平均株価指数がベンチマークになる事が多いです。
TOPIX と比べて日本株投資信託の運用のパフォーマンスがよければ、そのファンドマネージャーはうまくやっているといって良いわけです。逆に、TOPIX に比べて大きく負けているのなら、その人の能力は疑われてしまうわけです。
複数の資産を組み合わせて全体としてプラスにする
もちろん、日経平均が下がったからといって、投資信託による損失を許せるということはありません。日経平均が下がろうがどうしようが、損はしたくないですよね。
ただ可能性としては、ある年の日本株がマイナスになる事は十分にあり得ます。そうなったら、日本株投資信託がマイナスになるのは避けがたいでしょう。
これに対してどうやって対処をするれば良いのでしょうか。
その答えは、色々な資産を組み合わせて運用するのです。日本株と外国株と外国債券とといった感じで組み合わせるわけですね。
どれか一つの資産がマイナスでも、全体としてプラスになればOKとするわけです。投資信託を使って運用するときには、こう考えるのが合理的です。
補足:配当が多い投資信託は基準価額がマイナスになりやすい
最後にちょっと補足をしておきます。
一般的に、分配金が多い投資信託は、基準価額がマイナスになりやすいです。特に、毎月分配型の投資信託には、基準価額がマイナスになるものが多いです。
これはなぜかというと、分配金を出すとその分基準価額が下がるからです。
分配金は必ずしも利益から出しているわけではありません。元本を削って出している場合も多いのです。安定して分配するためには、基準価額の下落も止むなしと思っている投資信託も多いようです。
投資信託の知識が十分に無い人だと、このことに気づかない人もいるようです。分配金を貰って喜んでいたら、運用している投資信託の資産が大幅に減っているようなこともあるのです。
- 投資信託が設定された直後は、基準価額は1万円から始まります。 [↩]
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