銀行などの窓口に行くと、毎月分配型の投資信託をすすめられることが多いです。毎月決算があり、分配金が支払われる投資信託のことですね。
この手の投資信託は、一見すると、すごく有利な商品に見えます。銀行預金などと比較して、夢のような商品に見えるのです。しかし、冷静に分析すると、別に有利でないということがほとんどです。
今回は、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」を例に、どうやって有利に見せているのかを考えてみましょう。ちなみにこの投資信託は、ETF やMMF を除くとこれを書いている時点では日本で2番目に純資産総額が大きい投資信託です。
分配金を利回りとして計算してみよう
「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」の交付目論見書によると、2014年6月30日時点の基準価額は1万口あたり5,241円なのだそうです。また、1万口あたりの分配金は月70円支払われます。年額に直すと、840円が支払われるということですね。
ということは、これは利回りに直すと、年率16%となります。
年率16%はとんでもないリターン
年率で16%が本当にリターンだったら、相当すごいことです。
例えば、現在の日本の10年物国債の表面利率は1%を大きく割っている状況です。つまり、10年物日本国債の20倍前後のリターンがある事になるわけです。
普通預金の金利なんて、さらに悲惨です。銀行によって違いますが、0.1%を割っているところも多いのが現状です。
リターンの大きそうな株式でも、期待収益率はせいぜい6%とか7%くらいのものです。期待収益率というのは、1年間株式で運用すると、平均6%から7%程度が期待できるということですね。
これらと比較して分かるように、本当に年率16%だったら、とんでもなく優れた金融商品だということになるわけです。
実際には元本を削って分配しているだけ
ただ実際には、そんなに有利な商品は存在しません。実は、この16%というリターンは見せ掛けの数字なのです。
どう見せかけているかというと、元本を削って分配金にまわしているのです。つまり、利益が出なくても、分配金が配られているわけですね。
投資信託の分配金は、このように自分の元本を削って配当に回す事も多いです。自分の足を食べる蛸になぞらえて、蛸配当などと揶揄されることも多いです。
分配金は見せかけの数字だということを知ろう
このような状況ですから、この16%というリターンにつられて投資すると、結局元本を削るだけということになるわけです。だとしたら、わけが分かりませんよね。
他の毎月分配型の投資信託でも、多かれ少なかれ、似たような状況があります。ですから、毎月分配型に投資するときには、かなり気をつけてチェックすることが重要です。
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