前のページで見たように、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」はハイリスク・ハイリターンの債券などを中心に投資する投資信託です。ただ、前のページの説明だと、大雑把な方針が書かれているだけで、具体的にどんな債券に投資しているかが分かりにくいのも事実です。
そこで、この投資信託が具体的にどんな金融商品に投資しているのか見てみたいと思います。具体的には、交付目論見書の情報を元に、2014年6月30日現在の状況を確認してみましょう。
かなりたくさんの債券が組み込まれている
交付目論見書のデータを見ていてまず気づくことが、かなりたくさんの債券を買っていることが予想されると言う点です。
資料には組入上位10銘柄が挙げられているのですが、1位の債券でも組入比率は1.1%しかありません。そして、2位以下は1%を割っていて、10位の債券の組入比率が0.7%程度になります。
ということは、どんなに少なくても百数十の債券を買っている計算になります。かなり分散している印象ですね。
これだけ分散してあれば、仮に1社や2社でデフォルトがあっても、ダメージはそれほど大きくはなさそうです。
ハイリスクな投資信託ですから、これだけ分散されているのは、いい評価と言えそうですね。
ちなみに、正確に何社の債券を持っているかは、運用報告書で確認することが出来ます。興味がある人は、チェックしてみると良いでしょう。
債券の表面利率かなり幅広い
次に、保有する債券のリターンが知りたいところです。これも交付目論見書で概要は確認できます。組入比率の上位10銘柄の表面利率が記されているからです。
目論見書を見る限り、かなりのばらつきがあるようです。上位10銘柄だけで見ても、3.375%から12.25%まで開きがあります。例えば、組入れ比率が一番大きいALLY LLC MTN だと表面利利率が8%ということです。
運用報告書を見ると、ある時点での全ての組入銘柄をチェックすることが可能です。それを見る限り、6%前後が平均なのかなあと言う感じです。もうちょっと上かもしれませんけど。
こちらも、正確なところが知りたい人は、ぜひ運用報告書をチェックしてみてください。
格付けはB やBB が中心
投資している債券の格付けは、B やBB(あるいはBa)と言うのが多いようです。具体的には、BB の比率が49.7%あり、B の比率が31.6%あります。この2つのカテゴリーで8割以上がおさまっているわけですね。
ハイイールド・ボンドに投資する投資信託ではありますが、その中では比較的リスクが小さいものを選んでいるのが分かります。
ちなみに、CC 以下の債券の比率は0.0%とありました。投資していないか、仮に投資していてもほんのわずかな額であることがわかります。
ちょっと補足
最後にちょっと補足をしておきましょう。
前のページで触れたように、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」の分配金を利回りに直すと、年16%程度の利回りがあります。でも、実際に運用している債券は、10%以下のものがほとんどです。
ということは、元本を削って配当しないと、年16%なんていう利回りは実現しようが無いのです。営業優先の合理性があまりない方針で運営されていると考えてよさそうです。
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