投資初心者です。分からないことがあるので、教えてください。
証券会社の営業に次の3つの投資信託をすすめられました。どれが一番良いのでしょうか。
- ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)
- 新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)
- ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース
質問サイトで、このような趣旨の質問を見つけました。いかにもありがちな質問だとは思います。今回はこの質問を使って、ちょっと金融機関との付き合い方について考えてみましょう。
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初心者にこの3本をすすめる意図は何?
まず書いておきたいのは、この質問に関心を持ったのは、どの投資信託をが良いかという部分に惹かれたからではありません。どうしてもこの3つから選びたければ、手数料が安そうなものを選んでおけば良いでしょう。似たような投資信託ですし。
私が個人的に興味を持ったのは、金融機関が何故初心者にこの3本をすすめたかという点です。
投資信託の名称を見ると分かるように、この3本はいずれも外国のREIT に投資する投資信託です。自分から投資の初心者であると言ってしまうような人に対して外国のREIT のみをすすめるって、どういうことなのでしょうか。
この点が非常に理解に苦しむのです。
投資信託のメリットって長期運用しやすいことですよね
あくまで一般論ですが、投資信託のメリットって、長期投資がしやすいことですよね。長期投資をするとなると、色々な資産に分散して投資するのが基本になってきます。分散することで、リターンを小さくせずにリスクを小さく出来ることが知られているからです。
それに対して、海外のREIT の投資信託というのは、分散とは程遠い商品です。はっきり言って、丁半博打みたいなものです。海外の不動産が全体として調子良いタイミングで買えば、大きな利益が出るかもしれません。逆に言うと、タイミングを間違えると、大きく損をする可能性があります。
つまり、タイミングを重視した、長期投資とは全く逆の考え方をしないといけないのです。
もちろん、長期的に海外の不動産に投資するというスタンスもありうるでしょう。でもこういう場合は、他の資産などと分散投資をして、リスクの低減を図るのです。少なくとも、相場観を持たない一般の投資家には、そういうアドバイスをするべきでしょう。
タイミングを狙って売買するような投資を、投資信託を使ってすることを、頭から否定するつもりはありません。でも、投資初心者だと自分で言うような人に対して、そういう投資信託をすすめるってどうなのでしょうね。かなり理解に苦しみます。
証券会社のおすすめの投資信託だった可能性も
銀行や証券会社の営業は、会社の方針に従って投資信託をすすめるのだそうです。「今週はこの投資信託を売ってください」と言うような具体的な指示がある事も多いようです。
今回の相談者も、そういう営業戦略に巻き込まれているのかもしれません。そういう可能性が大きそうな気がします。
もちろん相談者が、金融機関の窓口に対して、「手っ取り早く儲けたい」と言うようなことを言った可能性もあります。その場合は、確かに、海外REIT のような商品をすすめられる可能性もあるでしょうけどね。
でも、色々な例を見ていると、金融機関がちょっとアレなケースも多いようなのです。
投資家は目的を明確に!手数料体系くらいは理解して!
金融機関が本当にREIT ばかりを勧めたのだとすれば、率直に言って金融機関の営業スタンスとして問題は感じます。でも、だからと言って、投資初心者の方がかわいそうと言う感じも、それほど強くは抱きません。
自分では勉強しないでとりあえず金融機関に出向いていって、無料でアドバイスを聞いて投資がうまく行く。こんな事を考えている人は、鴨にされるのはある意味当然ですよね。投資家に知識が無いと分かれば、金融機関にとって利益になる手数料が高い商品を売りたくなるのは自然です。
そもそも、とにかく先ず金融機関に相談に行くと言う人は、無料だと思っている相談料が実は高くついていることを知らないのでしょう。
投資信託は手数料にかなりの差があります。金融機関に相談に行くと、相談料を上乗せしたような、手数料の高い投資信託をすすめられるのが常なのです。手数料が安い投資信託は、最初から扱っていないと言う、徹底している金融機関すらあります。
無料で相談したために、結局、数十万円単位の隠れた手数料を取られる可能性もあるわけです。
金融機関の窓口に言って相談をするのが、悪いことだとは言いません。でも、せめて、「どういう目的投資するのか」「投資信託の手数料体系はどうなっているのか」の2点くらいは把握した上で相談すべきでしょう。そうしないと、金融機関が売りたい投資信託を押し付けられておしまいです。実際、そういう例も多いです。
投資信託での資産運用を考えるなら、その前にiDeCoの検討を
投資信託での運用を考えているあなた。その前にiDeCo は活用していますか?
iDeCo なら、投資信託を使った資産運用ができる上に、有利な節税の仕組みもあります。条件が整えば、年間数十万円単位の節税になる人もいます。この有利な仕組みを使わない手はないでしょう。
ちなみに、手数料等を考慮すると、iDeCo の窓口金融機関にはネット証券がお勧めです。興味がある方は資料請求から。

投資信託では金融機関はどこを使う?
投資信託を使って資産運用をするならSBI証券がおすすめです。取り扱い本数が2,500本以上とかなり多く、顧客満足度も高い証券会社だからです。
投資信託の積立をして長期的な資産形成をする場合も、やっぱりSBI証券が良いでしょう。銀行や信用金庫からの自動引き落しに対応していて、とても便利です。月々100円から積立てられるのもメリットですね。
ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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