倒産する心配が無いのがETF のメリットだと言います。ただ、分配金が少ないことが非常に気になります。
ETF を使って投資するくらいなら、配当金が大きい大企業の株式を選べば良いのではないでしょうか。例えば大手の商社や都市銀行なら、倒産に関してはそれほど気にる必要はありません。それに仮にそういう大企業が倒産するぐらいに景気が悪ければ、ETF も暴落するでしょう。そうであれば、どちらに投資しても大差はありません。
そう考えると、配当利回りが大きい大手商社などの方が良いのでは無いかと感じるのです。このあたりの点はどう考えれば良いのでしょうか。
ETF と個別株の比較に関する問いを、質問サイトで見つけました。面白い問いだと思うので、ちょっと考えてみましょう。
分配金や配当金って何?
この問題を考える上で理解しておかないといけないのが、そもそも分配金とか配当金とは何かという点ですね。この質問者の問いを考える上で一番重要な部分なので、そこから確認しておきましょう。
分配金というのは、決算の結果を受けて、投資信託が投資信託に支払うお金です。また、配当金というのは、これまた決算の結果を受けて、株式会社が投資家に支払うお金のことです。
ここで大事なのは、分配金や配当金がどこから出ているかです。実は、分配金にしろ配当金にしろ、基本的には投資家が出したお金を投資家に返しているだけなのです。
つまり投資家としては、出していたお金の一部を返してもらっただけなのです。ですから、分配金や配当金があるから有利とか不利とかいう話ではありません。
その証拠に、分配金があると、投資信託の基準価額が分配された分だけ小さくなります。配当金も同様で、配当の翌日には株価が下がる事が多いです。株式の場合は、配当意外にも様々な要素が影響するので、「基本的には下がる」という感じですけどね。
何にしても、分配金も配当金も、特別有利でもなんでもないのです。
さらに言うと分配金や配当金には税金がかかることがあります。ですから、むしろ、分配や配当な無いほうが良いという考え方もあります。
分配金的なものが欲しければ時々解約すれば良い
分配金が小さい、あるいは全く無いETF のような商品で、分配金的なものを受け取りたければ、一部を解約すればいいのです。そうすれば、分配金を受け取ったのと、投資の効果としてはかわりません。
ETF の場合は、細かく解約するのは難しい場合が多いので、微調整できないのは難点ですけどね。とにかく大事なのは、分配金として受け取ったお金も、解約して受け取ったお金も、本質的には差が無いということです。
大手企業も倒産の可能性はある
もう一つ指摘しておくと、この質問の質問者は大事な点を誤解しています。それは、大企業の倒産に関してです。
日本経済にそれほど大きな問題が無くても、大企業が倒産する例は過去にもあります。そして、これからもおこり得るでしょう。
この点は確認しておくべきです。
例えば、東日本大震災の時には、東電は倒産してもおかしくない状況でした。結果的に国が救いましたけどね。
そもそも東日本大震災前の東電は、倒産とは程遠い企業でした。安定した配当が多かったので、それを目当てに投資していた投資家が多かった企業です。そんな企業でも倒産しかけることはあるのです。
しかしそのころに、日本経済が壊滅的な打撃を受けたかと言うと、決してそんなことはありません。株価が一時大きく下げたのは事実ですが、それでもTOPIX が投売り状態になったと言うような事はありません。東電の株価の下げに比べれば、誤差みたいな話です。
安泰だと思われている大企業でも、突然倒産する可能性はあるのです。あるいは、倒産しないまでも、株価がただ同然まで安くなることはおこりうるのです。
これ以外にも、一流と思われていた企業の倒産したり倒産しかけたりすることは、何度も起きています。銀行も公的資金で救われたと言う過去もあります。山一證券のように倒産した大手の金融機関もあります。他の業種よりも安全を重視して経営していたはずの生保業界でも、過去には倒産の事例がいくつかあります。また、JAL の倒産も記憶に新しいですよね。
個別の優良企業でも、倒産する可能性は小さくないのです。あるいは、倒産しないまでも、株価が大きく下がることは十分にあり得ます。
個別の企業の倒産確率や株価の暴落と、ETF の価格変動を同列に扱うこと自体、かなりナンセンスと言って良いでしょう。
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ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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