みずほ銀行のサイトに、「投資信託ランキング」というページがあります。このでは3種類のランキングが紹介されているのですが、今回は月間販売額ランキングというランキングに注目してみましょう。
このランキングに注目する理由は、率直に言って、このランキングがかなり不思議だからです。長期運用を意識している人が買ったら、こんなふうなランキングにはならないであろうというような感じがするのです。
何か意図的なものが無ければこんなランキングにはならないだろうと考えられるわけですね。で、その理由を一緒に考えてみようと思ったわけです。
Contents
まずはランキングをチェック
まずは、2014年9月の月間の販売額ランキングを見てみましょう。
- ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)
日興アセット - ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)
ピクテ - ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)
大和投信 - 米国ハイイールド債券ファンド 豪ドルコース
みずほ投信 - DIAM新興資源国債券ファンド(愛称:ラッキークローバー)
DIAM - みずほ豪ドル債券ファンド(愛称:コアラの森)
みずほ投信 - 米国エネルギー革命関連ファンド Bコース(為替ヘッジなし)(愛称:エネルギーレボリューション)
野村アセット - HSBCインドネシア債券オープン(毎月決算型)
HSBC - DWS欧州ハイ・イールド債券ファンド(ブラジルレアルコース)(毎月分配型)
ドイチェ - MHAM物価連動国債ファンド(愛称:未来予想)
みずほ投信
投資信託になじみが無い方には分かりづらいかもしませんが、率直に言ってかなり個性的なランキングになっています。
ちなみに、ここでは「個性的」という言葉を悪い意味で使っています。どのように悪い意味かと言うと、長期投資を前提として投資信託を選んだ場合、おそらくは選ばないであろう投資信託がかなり多いという意味です。
何か別の理由で選ばれたとしか思えないようなランキングになっているわけです。
色物ばかりが上位を占める不思議
一般的に、長期的に運用することを考えた場合に選びたい投資信託は、広く分散がしやすい投資信託です。例えば、日本株全体に投資する投資信託とか、先進国の債券全体に投資する投資信託などです。
しかし、今回紹介した投資信託のなかには、それと反対の投資信託が多いようです。かなり投資する範囲を絞った、分散があまり出来ていないものが多いわけです。
例えば「HSBCインドネシア債券オープン(毎月決算型)」なんて、かなり狭い範囲の投資信託ですよね。あるいは、「米国エネルギー革命関連ファンド Bコース(為替ヘッジなし)(愛称:エネルギーレボリューション)」なんていう投資信託も、分散投資とは反対の立場を取るような投資信託です。
この他にも、分散投資とは相容れにくい投資信託がゴロゴロ並んでいます。
これらの投資信託が一概に悪い投資信託だと言う気はありません。例えば、相場観がある人が中期的な運用をするために選ぶということは、十分に考えられます。
しかし、ランキングの上位に入っているという事実が、かなり奇異なのです。本来は、こんなにランキング上位に来るような投資信託ではありません。
逆に言うと、本来は売れていないといけないような投資信託が、あまり売れていないということも言えるのかもしれません。少なくともみずほ銀行では。
いまだに半分が毎月分配型
もう一つ奇異に感じたのが、上位の10本のうちの半数が、毎月分配型の投資信託であるという事実です。毎月分配型というのは、毎月決算を行い、分配金を支払うタイプの投資信託ですね。
分配金というのが利益の分配なら、その意義が全く分からないわけではありません。しかし分配金の多くは、元本を削ってそれを投資家に返すというようなことをしているだけなのです。
増やすために投資信託を買ったのに、そのお金が運用に回らないで戻ってくるだけなのです。はっきり言って、あまり意味は無いですよね。
尚悪いことに、分配金には所得税がかかるケースもあります。この税金は分配しなければかからないものですから、運用資金として残しておけばかからなかった税金がかかるということです。
こうなってくると、もう、誰のための仕組みなのか、さっぱり分かりません。
インデックスファンドは店頭では販売しないんだ
さて、長期的な資産運用を考える場合、特に使える投資信託がインデックスファンドです。インデックスファンドというのは、日経平均やダウジョーンズなどの指数(インデックス)に連動するようにつかられた投資信託のことですね。
しかし、今回のランキングを見る限り、ベスト10の中にはインデックスファンドは含まれていませんでした。
率直に言って、これはなかなり奇異に感じます。定番中の定番であるはずの投資信託が、一本もランキングに入っていないからです。
その理由を探ってみたところ、かなり驚くべきことが分かりました。なんとみずほ銀行では、インデックスファンドはインターネットでしか扱っていないのです。店頭では買うことが出来ないわけですね。
インデックスファンドの特徴の一つは、手数料がかなり安いことです。ということは裏を返せば、「店頭で投資信託を購入するヤツには、手数料が高い投資信託しか売らない」というみずほ銀行の意思表示とすら感じます。
これって、ちょっと感じ悪いですよね。結局自分の利益しか考えていないといわれても仕方がないような態度ですから。表向き預金者のことを考えているというような事を言っても、実態が全く伴いません。
窓口ではこの手の投資信託をすすめられるのでしょう
このランキングの上位に入っている投資信託は、みずほ銀行として力を入れて販売している投資信託なのでしょう。上位の投資信託の多くが、窓口に来る顧客が自ら積極的に購入するタイプの投資信託とは思えませんから。
あくまでイメージですが、銀行の窓口で投資信託を買う人の多くが、それほど投資経験が豊かとも思えません。そもそも、投資信託という商品を積極的に選んでいる時点で比較的に投資経験が浅いことが考えられますよね。その上、投資経験が十分な人は、銀行で投資信託を買おうとは思わないでしょう。
ということを考えると、みずほ銀行はずいぶん変な投資信託を投資の初心者に売りつけているように思うのです。こうしてみると、改めて不信感が募ります。
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投資信託では金融機関はどこを使う?
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ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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