銀行のネット専用投資信託って顧客に不利益なんじゃないの?

いくつかの金融機関では、一部の投資信託をネットでしか買えないようにしているようです。特に銀行だとそういう傾向が強いようですね。

例えば、三井住友銀行だと、「インターネット・モバイル専用ファンド」というのを設けています。これに該当する投資信託は、窓口では買うことが出来ません。

ちょっと不思議なのが、何で店頭では販売しない投資信託があるのかという点です。また、どんな基準で店頭販売とネット専用販売を分けているのかも気になります。さらに言うと、店頭で買えない投資信託があることは、私たちにとってメリット・デメリットのどちらが大きいのかも知りたいところですね。

このような観点で、ちょっと考えてみましょう。

全部店頭で扱ってくれたほうが便利なのは明らかだが

単純に購入の手間だけを考えると、当然ですが、投資信託の販売をネットに限定されるのは私たちにとってはデメリットですよね。全ての投資信託を店頭で扱えるようにしてくれた方が便利なのは明らかです。

ただ、ネット専用の投資信託を作ることで、選択肢を増やしている可能性がある事も考えられます。どういうことかというと、銀行の店頭では扱える投資信託の本数には限界があるはずなのです。

投資信託の場合は、目論見書というドキュメントを投資家に渡す必要があります。ですから、店頭で扱える投資信託の本数に物理的に限界があるはずなのです。

投資家の選択肢を増やすためにネットでしか売らない投資信託を置いているという考え方も出来るわけですね。つまり、顧客の便宜をはかった結果、ネット専用投資信託が出来たという可能性もあるわけです。

選択肢を増やしているというのが銀行の主張

実際、三井住友銀行のサイトには、次のような説明があります。

インターネット・モバイル専用ファンド(ネット専用ファンド)とは、インターネットバンキング・モバイルバンキング(SMBCダイレクト)でのみお取り引きいただける、窓口をインターネットに限定した投資信託です。 店頭お取扱ファンドのラインアップに加え、異なるタイプの投資信託をネット専用ファンドとして取り揃えることで、より幅広いお客さまにご利用いただけるようにいたしました。

ネットを使うことで選択肢を増やし、個人投資家の便宜を図っているということを主張しています。

確かに、ネット販売をすることで選択肢が増えているとしたら、それは嬉しいことですよね。でも、そんなに額面通りに受けとってもいいのかと言われると、かなり疑問があるのも事実です。

ちょっと変だぞ

率直に言うと、個人的には、この説明を鵜呑みに出来ないと思っています。

三井住友銀行の場合は、これを書いている時点では、取り扱っている投資信託は142本あるのだそうです。そのうち、インターネット・モバイル専用ファンドは33本しかありません。

つまり、全体の中に占めるインターネット・モバイル専用ファンドの割合は、あまり大きくないのです。これで選択肢を増やしていると言われても、ちょっと納得し辛いですよね。

このくらいの数なら、頑張れば店頭でも販売できるはずです。3割程度増えるだけですからね。

ということは、他に理由があると考えるのが自然でしょう。

インターネット専用の投資信託は手数料が安いインデックスファンド中心

それでは、どんな理由で、銀行はネット専用投資信託と言うのを作っているのでしょうか。

銀行がインターネット専用の投資信託を設けている理由は、インターネット専用のグループに入れられている投資信託を見ると良く分かります。インターネット専用にされている投資信託の多くが、手数料が安いインデックスファンドなのです。

インデックスファンドは、手数料が安い投資信託です。まず、基本的には、ノーロードと呼ばれる販売手数料がかからない投資信託である場合がほとんどです。また、信託報酬という手数料も低めに設定されています。

投資信託を販売する金融機関にとっては、投資信託の販売は手数料を稼ぐためのビジネスです。手数料が安い投資信託ということは、販売する金融機関にとっては儲からない投資信託なのです。

インデックスファンドとそれ以外の投資信託では、販売する金融機関が受け取る手数料が数倍違うことが多いでしょう。投資期間などにもよりますけどね。だとしたら、金融機関がインデックスファンドを売りたくないのも不思議ではありません。

ちなみに、銀行の店頭でインデックスファンドを全く扱っていないかと言われると、必ずしもそんなことは無いようです。本数は少ないですが取り扱いはあります。ただ、比率で見るとネット専用が多いのです。

もちろん、この傾向は三井住友銀行だけではありません。例えば、みずほ銀行なども同じような傾向になっています。

店頭で売るときには手数料が安い投資信託は売らないって事だね

この傾向から分かるように、店頭販売する投資信託に関しては、手数料が安いものは極力売りたくないのでしょうね。おそらく店頭で投資信託を買う人は、投資信託についてあまり詳しく無い人が多いのでしょう。そんな人には、手数料が高い投資信託を売りつけましょうと言う経営方針なのかもしれません。

逆に、ネットを使って取引をする人は、それなりに自分で調べて投資信託を選んでいるはずです。そういう人に対しては、ある程度コスト面で魅力があるインデックスファンドを提供しましょうと言う感じなのでしょうね。

もちろん、これはあくまで推測です。でも、それ程的外れでは無いと思うんですよね。かなり自然な推論だと思います。

インデックスファンドは万人向けの投資信託のはず

インデックスファンドは、一般的に、パフォーマンスが平均的な投資信託よりも良いとされています。そしてこの事実は、ある程度関心を持って投資信託の勉強した人なら、知っている人も多いでしょう。

また、選択も難しくないのもインデックスファンドの強みです。ですから、本来であれば、投資の初心者でも利用がしやすい投資信託とも言えます。

そんな投資信託にもかかわらず、投資の初心者が多いであろう店頭で売らないのです。やっぱりこれって、かなりおかしな話ですよね。

「投資信託に詳しくないヤツには、手数料が高い投資信託を売ってしまおう」と考えていると言われても、否定はしにくいのでは無いでしょうか。金融機関の本音が垣間見える事例だと思います。

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