フィデリティ・日本株成長・ファンドは、これを書いている時点では一番純資産総額が大きい国内株式の投資信託です。そして、この投資信託が人気を集めた理由は、パフォーマンスが良かったからと言っていいでしょう。過去の運用がうまかった投資信託には、投資したいと思いますよね。
それでは、この投資信託は、現在でも投資する価値があるのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
月次の運用レポートを見てみましょう
この投資信託が実際にどういうパフォーマンスなのか、2014年10月の運用レポートをチェックしてみましょう。本当に良い結果が残せているのでしょうか。
設定来で見るとなかなかの好パフォーマンス
この投資信託は、長期的に見ると運用はうまく行っているようです。設定来の累積リターンをベンチマークと比較してみると、優れていることが良く分かります。1
- 日本株成長ファンド:66.55%
- TOPIX(配当金込):35.20%
ベンチマークであるTOPIX(配当金込)と比べて、2倍近く基準価額をあげているわけです。これは確かに、なかなかの成績と言って良いでしょう。
過去3年の成績はボロボロ
ところが、過去3年の結果を見てみると、率直に言ってあまり良い結果は残せていないようです。
まず、過去3年の累積リターンは、次のようになっています。
- 日本株成長ファンド:77.79%
- TOPIX(配当金込):85.90%
ベンチマークに対して、約8ポイント悪いわけです。
次に過去1年のリターンは次のようになっています。
- 日本株成長ファンド:12.02%
- TOPIX(配当金込):13.94%
こちらも、約2ポイントベンチマークに負けています。ボロボロとまではいいませんが、うまく行っていないのは間違いありません。
同様に、過去6か月、3か月、1か月で比較が可能ですが、いずれもベンチマークに勝つことが出来ません。ここ最近は、何をやってもうまく行かない状態のようです。
パフォーマンスが悪いなら高い手数料を払う必要が無い
過去のパフォーマンスが未来のパフォーマンスをどの程度約束するかは、疑問が残るところです。どういうことかというと、過去にパフォーマンスが良かったからと言って、未来のパフォーマンスがいいとは限りません。また、逆に、過去のパフォーマンスが悪いからと言って、未来も悪いと言う事も必ずしもいえません。
ただ、それでも、過去に悪かったものを敢えて買う必要性は無いと考えるのが自然ですよね。そもそもアクティブ型の投資信託は、手数料が悪い分だけ不利だと考えられますし。
ということで、私ならこの投資信託を買うという選択はしないでしょう。仮にこの投資信託を買うと決めても無理に止めはしませんが、お勧めはしません。
- ちなみに、ベンチマークと言うのは、投資の成績を評価するための指標のことです。この投資信託の場合は、TOPIX(配当金込)という指数をベンチマークに採用しています。「TOPIX(配当金込)」は名前から分かるように、TOPIX と関連した指数です。しかし、TOPIX と異なり、配当金を再投資するものとして指数が作られています。ですから、TOPIX よりは値が大きく出ることになるわけです。 [↩]
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