三井住友アセットマネジメントの「アジア好利回りリート・ファンド」という投資信託が、日本を除くアジアのREIT に投資する投資信託で初めて純資産総額が1,000億円を超えたのだそうです。
マイナビニュースの記事1 によると、純資産総額で見て、アジアのREIT に投資する投資信託の7割以上を占めるようです。かなり大きなシェアですね。逆に言うと、それ以外のREIT の規模がかなり小さいということなのかもしれません。
これは、国内で設定されているアジア・オセアニアリートで構成されるファンド(Fund Monitorのデータを基に三井住友アセットマネジメントが集計)の純資産総額のシェアの約7割を占めるという。
つまり、この手の投資信託の中では、圧倒的なシェアということのようです。
どんな投資信託なのか
交付目論見書のファンドの特色の1番目に、どのような投資信託かが説明されています。
主として、日本を除くアジア各国・地域(オセアニアを含みます。)の取引所に上場している不動産投資信託(リート)を実質的な主要投資対象とし、信託財産の中長期的な成長を目指します。
アジアといいながら、オセアニアも含むようです。また、中長期のスパンでの投資を考えているようです。
「ファンドのしくみ」という図を見ると、REIT を直接買うのでは無いようです。SMAMアジア・リート・サブ・トラストという投資信託を買うようですね。そして、SMAMアジア・リート・サブ・トラストがアジアの取引所に上場されたREIT を買うようです。
いわゆるファンド・オブ・ファンズ方式ということですね。ちなみに、このSMAMアジア・リート・サブ・トラストという投資信託を買うと年0.7%の信託報酬がかかるようですね。
この0.7%が実質的な信託報酬に上乗せされるので、投資するときには注意しないといけません。年0.7%は無視できないかなり大きな数字です。大雑把に言うと、100万円投資したとすると、7,000円分が取られているというイメージです。
手数料などを確認
ちなみに、この投資信託自体は税抜きで1.03%の信託報酬がかかるようです。投資先である「SMAMアジア・リート・サブ・トラスト」という投資信託の信託報酬が年0.7%かかるので、実質的には1.7%程度の手数料がかかると考えて良いでしょう。消費税を含めるともう少し高くなります。
1.03%という手数料だけを見ると、それ程高くないようにも見えますが、注意が必要なところです。投資先の信託報酬まで含めた実質的な信託報酬は、やや高めの部類です。
次に、販売手数料ですが、税抜きで最大3.5%までで設定できるようです。各販売会社の販売手数料率の設定を見ていると、2%から3.5%の範囲で設定されていることが多いようですね。
ということは、手数料にこだわるなら2%で設定されているところを選ぶべきでしょう。100万円投資すると1万5000円も手数料が違うということですからね。
ちなみに、2%で設定されているのは、カブドットコム証券などですね。興味がある方はチェックしてみてください。
販売会社が儲かる投資信託のようです
ちなみに、この投資信託ですが、販売会社である銀行や証券会社が儲かる仕組みになっているようです。まず、最大3.5%の販売報酬は販売会社の取り分です。その上、1.03%の信託報酬のうち年0.75%は販売会社の取り分です。かなりの部分を販売会社に渡しているようですね。
この投資信託の直接の投資先である「SMAMアジア・リート・サブ・トラスト」も三井住友アセットマネジメントが運営しているので、投信会社はそちら側の手数料で儲けているようですね。
アジアのREIT に限定する必要があるかどうかも検討を
この投資信託を買うかどうかという意味では、手数料以外に、アジアに限定する必要があるのかどうかを考える必要もあるでしょう。アメリカやヨーロッパも含む、世界のREIT だと駄目なのか、検討が必要なはずです。あるいは新興国のREIT 全体を対象にする投資信託では駄目なのかも考えたいところですね。
何らかの相場観があってアジアのREIT を選ぶのなら、個人の選択の問題だと思います。でも、そうでないのなら、違う選択肢でもいいのでは無いかというのが率直なところです。
広く分散するという投資の基本からすると、特別な事情がない限り、アジアに限定するのは得策とは言えないですから。
- 三井住友アセット、「アジア好利回りリート・ファンド」が1000億円を突破!(マイナビニュース)2014年11月26日 [↩]
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