確定拠出年金(個人型)は投資信託と非常に良く似た金融商品です。もう少し正確に書くと、投資信託の積立と非常に良く似ています。
しかし、わざわざ確定拠出年金などという名前を付けている以上、投資信託と全く同じというわけでもありません。投資信託の積立と確定拠出年金という2つの金融商品は、具体的にどんなところが共通しているのでしょうか。逆に、どんな点が異なるのでしょうか。
Contents
共通点はファンドを積み立てるところ
確定拠出年金と投資信託の積立の共通点は、毎月決まった額、投資信託を自動的に買っていくという点でしょう。確定拠出年金の場合は投資信託ではなくファンドという言い方をしますが、本質的には同じものです。
また、積み立てる額の配分を随時変えられる点も同じです。さらには、ある投資信託を売って別の投資信託に買い換えることが出来る点なども共通していると言えるでしょう。
ということで、確定拠出年金と投資信託の積立は、大筋では大体同じ商品だと考えていいはずです。
細かく見ていくと相違点も多い
ただ、細かく見ていくと相違点も少なくなりません。どんな相違点があるのか、投資する上で影響が大きそうなものを中心にいくつか見てみましょう。
確定拠出年金は税制上の優遇措置がある
確定拠出年金と投資信託の積立の最大の違いは、税制上の優遇措置がある点でしょう。すごく簡単に言ってしまうと、確定拠出年金で積立をすると、所得税や住民税が安くなるのです。また、それ以外でも税制上の優遇はあります。色々と節税につながるわけですね。
どの程度税金が安くなるかは、月々の積立額や所得などによって異なります。一般的には、毎年数万円程度の節税につながる可能性が大きいでしょう。
率直に言って、これはかなりのメリットと言えるはずです。ですから、確定拠出年金の個人型が使えるなら、投資信託の積立よりも確定拠出年金の方が良いとすすめる人が多いわけです。
確定拠出年金には現金化できないという大きなデメリットが
その一方で、確定拠出年金には大きなデメリットがあります。それは、年金を受け取れる年齢になるまでは、原則として現金化できないという点です。
積立を途中で止めることは可能です。ただ、今まで積み立てた分を引き出すことは出来ないのです。確定拠出年金用のアカウントで管理しないといけません。
ということは、確定拠出年金は利用目的が絞られるというデメリットがあるわけです。例えば、子供の教育資金を貯めるのに利用したり、住宅の頭金を貯めるのに利用したりは出来ないのです。
まあ、老後の年金という目的に絞られるからこそ、税制的な優遇があるとも言えるのですけどね。名前から分かるように年金に特化した商品だと言えるでしょう。
確定拠出年金は利用できる投資信託が限られる
確定拠出年金にはもう一つ大きなデメリットがあります。どんなデメリットかというと、利用できる投資信託がそれ程多くないのです。
投資信託の積立の場合、取り扱い本数が多い証券会社を使えば、数百種類の中から積み立てる投資信託を選ぶ事が可能です。それに対して、確定拠出年金の個人型の場合、数本から数十本程度の中から選ばないといけません。
数十本程度の取り扱いがあれば、まだある程度の選択は可能です。しかし、数本しか取り扱いがないと、まともに選ぶ事が出来ないでしょう。
尚悪い事に、数本しか扱わないにもかかわらず、扱っている投資信託の種類が偏っている場合も多いです。確定拠出年金で分散投資をすることが難しくなってしまうのです。
率直に言って、これだと問題ですよね。
全てを確定拠出年金にするのは危険かも
ここまで見てきたように、節税効果があるという意味で、確定拠出年金は優れた金融商品です。しかし、解約がしにくいなど、ちょっと使いづらい部分もあります。
また、取り扱う投資信託に偏りがあるなどの問題もあるので、全てを確定拠出年金で運用するのは危険でしょう。以上のように考えると、部分的に確定拠出年金を使うというスタンスが良いのでしょうね。
あと、口座を開く金融機関によって、取り扱うファンドの数がかなり違います。ですから、どの金融機関に口座を作るかは慎重に検討する必要があるでしょう。
ちなみに個人的には、SBI証券の確定拠出年金口座がおすすめです。取り扱うファンドの本数が多い上に、口座の管理手数料が安いのです。興味がある人は、資料の請求だけでもしてみたらいかがでしょうか。
投資信託での資産運用を考えるなら、その前にiDeCoの検討を
投資信託での運用を考えているあなた。その前にiDeCo は活用していますか?
iDeCo なら、投資信託を使った資産運用ができる上に、有利な節税の仕組みもあります。条件が整えば、年間数十万円単位の節税になる人もいます。この有利な仕組みを使わない手はないでしょう。
ちなみに、手数料等を考慮すると、iDeCo の窓口金融機関にはネット証券がお勧めです。興味がある方は資料請求から。

投資信託では金融機関はどこを使う?
投資信託を使って資産運用をするならSBI証券がおすすめです。取り扱い本数が2,500本以上とかなり多く、顧客満足度も高い証券会社だからです。
投資信託の積立をして長期的な資産形成をする場合も、やっぱりSBI証券が良いでしょう。銀行や信用金庫からの自動引き落しに対応していて、とても便利です。月々100円から積立てられるのもメリットですね。
ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連した記事を読む
- SBI証券の「じぶん年金」って何だ?要するに投資信託の積み立てのこと
- 最低でも投資額の10%分 税金を安くする方法
- 最低でも投資額の10%分 税金を安くする方法(2)
- 最低でも投資額の10%分 税金を安くする方法(3)
- 老後資金対策なら投資信託の前に確定拠出年金の検討を