ここ数年は、銀行で投資信託を買う人が増えているようです。銀行の投資信託の販売シェアは、全体の5割程度にまで増えているのだとか。
そこまでのシェアを獲得するためには、銀行が相当積極的に販売しているはずですよね。何で銀行は、そこまで積極的に販売するようになったのでしょうか。
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銀行預金としてお金を預かるよりも投資信託を売ったほうが遥かに儲かる
銀行が投資信託をすすめる理由はとても簡単です。銀行預金として預かるよりも、投資信託を売るほうが儲かるからです。
このサイトで繰り返し書いていますが、投資信託の手数料にはいくつかの手数料があります。その中で特に大きいのが、信託報酬と販売手数料の2つです。
それぞれの手数料としてどの程度のお金が入ってくるかを知ると、銀行が積極的に投資信託を売る理由が分かるはずです。一つ具体的な例を挙げて、みてみましょう。
「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」を例にチェックしてみましょう
これを書いているタイミングで、みずほ銀行で一番売れている投資信託は「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」という投資信託です。この投資信託を100万円買ったとして、手数料を見てみましょう。
先ずこの投資信託には、販売手数料がかかります。1,000万円未満の場合は税込みで3.24%の手数料がかかるようです。ということは、税抜きで3%の販売手数料ということですよね。
この手数料は全て投資信託を販売した銀行の取り分となります。つまり100万円分の投資信託が売れると、3万円の手数料収入がある事になるわけです。
信託報酬はちょっと複雑です。まず、信託報酬は合計で年1.5%がかかります。このうち純資産総額の100億円以下の部分に関しては、委託会社が0.87%、販売会社が0.55%、受託会社が0.08%を受け取る事になっています。
銀行は販売会社に当たりますから、100万円に対して0.55%の5,500円が手数料収入になるわけです。正確に言うと、基準価額によってこの額は変動しますから、正確に5,500円ということでは無いのですけどね。まあ、大体この程度の額だという目安にはなるでしょう。
つまり、契約者が10年この投資信託を持ち続けていたとしたら、5,500円が10年分入ってきて、それプラス販売手数料が入るということです。つまり、8万5000円の売り上げになるわけです。
実際にはもっと儲かるかも
実際には銀行はもっと儲けることができるかもしれません。10年も経たずに売却させて違う投資信託に乗り換えさせれば、そのときにまた販売手数料が受け取れるからです。
実際、金融機関の営業は、販売手数料目的で顧客に不要な売買をさせる事も多いようです。相場が変わってきたとか何とか言って、定期的に投資信託を解約させ、違う投資信託を買わせるのです。そのたびに販売手数料が入ってきます。
頻繁に売買させることで、10年間で元本の2割近くの手数料を取る事だって可能でしょう。
銀行預金でこれだけ儲けるのは難しい
銀行預金で銀行がどの程度儲かるのか、正確なところは良く分かりません。これだけ儲けるのは難しいですよね。
高度成長していた頃のように、貸出先が簡単に見つかるのなら、もちろん預金を増やすのは意味がある行為だったでしょう。しかし、優良な貸出先を見つけるのが難しいご時勢だと、それ程儲からないわけです。
そこで手を出したのが、投資信託というわけです。また、生命保険の販売に手を出しているのも、同じ理由だと考えていいでしょう。預金として受け入れるよりも、手数料収入の方がいいという理屈です。
法律が変わってこの手の商品を銀行が売れるようになったというのも大きいでしょうが、経済状況の問題も相当大きいと考えられます。
銀行が儲かる商品と言うことは…
銀行が儲かる商品というのは、常識的に考えると、個人投資家にとって不利な商品ということですよね。本来なら利益になるものの一部を銀行にとられるわけですから。
と言うことは、投資信託はあまり積極的に選ぶ投資商品では無いと言える可能性が大きいわけです。また、金融機関の営業が勧めるままに売買を繰り返すのも賢い選択でないことになります。
もちろん、全部の投資信託が悪いということはありません。ただ、手数料が高いばかりで、メリットが小さい投資信託が多いのは事実だと思います。
銀行にすすめられるままに投資するのではなく、最終的にどの程度の手数料がかかるのかを理解した上で投資をすることをおすすめします。
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ちなみに、手数料等を考慮すると、iDeCo の窓口金融機関にはネット証券がお勧めです。興味がある方は資料請求から。

投資信託では金融機関はどこを使う?
投資信託を使って資産運用をするならSBI証券がおすすめです。取り扱い本数が2,500本以上とかなり多く、顧客満足度も高い証券会社だからです。
投資信託の積立をして長期的な資産形成をする場合も、やっぱりSBI証券が良いでしょう。銀行や信用金庫からの自動引き落しに対応していて、とても便利です。月々100円から積立てられるのもメリットですね。
ETF を選ぶ人は手数料にこだわっている人が多いはずです。もしそうなら、証券会社に支払う売買手数料にもこだわるべきですよね。大手証券会社の窓口なんかで買ったら、手数料が高くなって本末転倒です。
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