銀行で投資信託を買うと損をするという実例| 銀行はあなたの利益なんて考えていない証拠

投資信託は、どこで買うかが意外と大事です。特に、銀行などで買った場合、損をすることが多いようです。金融庁の調査では、個人投資家の半分程度が損をしているようです。

銀行で投資信託を買うと儲からないのには、銀行の営業姿勢も影響していそうです。この点は、金融庁からも、厳しく指摘されています。

銀行で投資信託を買うと市場環境が良くても損をすることも

金融庁の調査によると、銀行で投資信託で運用する個人投資家の、約半分が損失を抱えているそうです。日本でもアメリカでも株価も不動産価格も上がっているのに、投資信託で損をするなんて事があるんですね。しかも、約半分が。

もともとは、日経新聞の「投信で損失、個人の半数/過度な分配金や短期の売買あだ 金融庁『成績比べる指標を』」という記事で紹介されていました。2018年7月5日付の記事です。

もう少し正確に書くと、次のような感じです。

都銀や地銀の計29行を対象に2018年3月末時点の運用損益を調べたところ、損失を抱える顧客は46%と全体の半分近くに達した。

とりあえず、この調査のポイントは次の3つでしょう。

  • 調査したのが銀行である
  • 日本でもアメリカでも、株価も不動産価格も過去数年上昇傾向にある
  • 結果的には個人投資家の約半分が損失を抱えている

つまり、銀行で投資信託を買うと、あまり儲からないという事ですね。市場環境が良くても、損をしてしまうのです。なんとも哀れですね。

どうやったら損をすることが出来るのだろうか

繰り返しますが、ここ数年は株価も上がっています。これは日本だけでなく、アメリカなどでも同じ傾向です。不動産価格も上がっているはずですね。

その状況で、投資信託で損をできるって、ある意味すごい才能です。

例えば、みんなが批判する日本の公的年金だって、ここ数年はかなり儲けていますからね。1 個人投資家は、その水準にすら遠く及ばないという事になってしまいます。

これに対して、金融庁は次のような発言をしているようです。

銀行や証券会社はかねて自らの手数料収入を優先し、個人の短期売買を助長しているとの批判があった。販売手数料ばかりがかさめば、肝心の運用利回りは低下してしまう。ある金融庁幹部は「金融機関のトップは手数料収入の多寡は気にしても、顧客がもうけられているかは見向きもしてこなかった」と批判する。

このサイトでも批判していますが、銀行では手数料の高い投資信託を売る傾向が強いようです。

これは、例えば、銀行の店頭に並んでいる投資信託のパンフレットを見れば明らかです。パンフレットが作られるという事は、積極的に売りたい投資信託という事ですよね。そのパンフレットになっている投資信託の手数料が高いわけですから、銀行が手数料が高い投資信託を売りたがっているという何よりの証拠でしょう。

彼らもビジネスですから、ある程度は仕方がない部分もあるでしょう。でも、個人投資家に損をさせちゃまずいでしょう。これだけ儲かる条件がそろっている時期に。

投資信託で儲けるのなんて簡単

このサイト内で何度も書いていますが、大事な事なので繰り返しておきましょう。

投資信託で儲けるのなんて、それほど難しいことではありません。やり方は簡単で、日本株に投資するインデックスファンドと、外国株に投資するインデックスファンドを半々で持つだけです。

インデックスファンドと言うのは、株価などの指数に連動する投資信託ですね。例えば、日本株だと、日経平均株価指数やTOPIX です。

こういう投資信託を買って放置しておけば、長期的に見て損をすることはまずありません。ですから、約半分が損をしているというのは、私にとってはかなりの衝撃でした。

もっとも、販売手数料を稼ぐために、定期的に顧客に投資信託を買い替えさせる営業もいるらしいですからね。そんなことをすれば、一回買い替えるだけで数パーセントは損をします。

もともとの投資信託の手数料の高さをあわせて考えれば、今の状況でも運用で失敗できるのかもしれません。元々が手数料が高い投資信託ですしね。

金融庁からは毎月分配型が批判されている

記事には、次のような記述もあります。

特に問題視されてきたのが「毎月分配型」だ。過度な分配金を顧客に支払い、元本の取り崩しが常態化した。生活費の足しにする高齢者には人気があったが、現役層の資産形成にはそぐわない。

毎月分配型というのは、名前の通り、毎月分配金が支払われる投資信託です。多くの人が、この手の投資信託では、儲けの中から分配金を払っていると思っている人が多いようです。

でも、その認識はただしくありません。毎月分配型の投資信託では、多くの場合、元本を取り崩して投資家に返しているだけなのです。

ですから、資産運用をしているつもりでいたら、元本が減っていたなんて話になるわけです。

まあ、このことは、個人投資家が儲けたかどうかとは関係ない話ですけどね。毎月お金を返しているだけですから、投資家にとっては損でも得でも無いはずです。

ただ、資産運用の成功か失敗かという観点では、結構大きな問題でしょう。

悪いのは投資信託ではなく選び方

ちなみに、こういう記事を見ると、「だから投資信託なんて買ってはいけない」という話に結び付ける人がすくなくありません。でも、それもまた違います。

と言うのも、常識的な基準で投資信託を選んでいれば、普通は儲かるはずだからです。その証拠に、公的年金の運用では、かなりの利益が出ています。

つまり、単純な話、公的年金と同じような選択をしていれば、私たちも儲けることが出来たわけです。そして、公的年金のような運用は、個人でも難しくはありません。

何せ、ポートフォリオや運用方針は、かなり情報公開されていますから。個人が運用する場合、公的年金が運用するよりも、多少手数料が高い程度の差しかないのです。そして、手数料が高いと言っても、銀行が勧めるようなべらぼうに手数料が高いような投資信託と比べれば、かなり手数料が安い投資信託で運用することが出来ます。

つまり、悪いのは投資信託という商品ではなく、投資信託の選び方です。さらに言うと、個人投資家に有利でない投資信託を勧める銀行なのです。

自分自身でちょっと勉強すれば、こんなふうな損をする可能性はかなり小さくできるでしょう。


  1. 不思議な事に、日本のマスコミは、運用が上手くいっているときには大きく取り上げません。ちょっとでも減ったら、すごい勢いで批判するんですけどね。新聞やテレビの報道に、政治的なにおいを感じないわけにはいかないでしょう。 []

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